彼にワキガを伝えるのかどうかで相当迷いました

<事実を知った日>
今から20年以上前の事です。私がまだ独身で、友人とお付き合いをしていた頃の話です。

会社の同僚だった私たちは仕事や会社の飲み会を期に親しくなりました。

最初は仲間内で食事に行ったり遊園地に行ったりしていましたが、段々と二人で出かけるようになりました。


お互いの距離感もまだ緊張気味だったので、べったり…という感じではなくラフな感じで手をつないだりしていたので初めは全く気が付きませんでした。


段々と季節が夏に近づき暑さが増してきたころでしょうか。私たちは思い出の遊園地に二人で出かけました。7月の終わりの事です。


その日はまさに青天というような雲一つない青空が広がっていました。お昼前ぐらいからぐんぐんと気温が上がり始め額や首筋からは自然と汗が流れだしました。


持っていた扇子であおっても熱風が顔にかかるようなうだるような暑さでした。


ましてや乗り物を待ち何時間も炎天下の中で立っている状態だったので、喉はカラカラ、頭はくらくらするような感じでした。


そんな時ふと風に誘われるように鼻を衝くにおいがしたのです。初めは何のにおいかわからず、ただただつんとするようなキツイ匂いに顔をゆがめてしまいました。いろいろ立ち位置を変えたり、動いてみたりしました。そしてとうとうわかりました。どうやら彼の右脇から出ているようでした。不思議なことに左側は匂いがしないようで、原因は右側のワキガだったようです。それまでワキガの人に出会ったことがなく、ワキガの臭いというものを知りませんでした。初めてだったにもかかわらず、あまりの特別すぎる臭いのキツさに(ああこれなんだ)とわかりました。本人はどうやらその事実に気づいていなかったので、教えてあげたいと思いましたが、こんな事をいって嫌われたら……と思いなかなか言い出せませんでした。

<月日が流れ…>
それからワキガの事は少し気になったものの、普段汗をそこまでかかなければ思ったほどきつくはなかったので、本人にも言わないまま月日が流れました。1年くらいたち段々と親しさも増してきた時、私はとうとう彼に事実を告げました。そして実際に自分でもその匂いに驚いていました。でも自分が気づく事で対策が出来るので、やっぱり教えてあげてよかったと思いました。調べたら、最近は手術も手軽になり気軽に出来るところが多くなったようでしたが、金額も安くはなかったのでとりあえずは塗るタイプのワキガ用の外用薬を定期的に塗るようになりました。朝つけるとほぼ1日持続できる優秀なものも多く、とりあえずそれを遣う事で悩みは軽くなりましたが、やはり汗を大量に書くような暑い時期には気を遣う事が多いようです。これから先もずっと気を遣う事を考えると、いつか手術的な対処法を考えるべきか悩み中です。その彼は…今の主人です。